株式会社プレッパーズは、浜松医科大学発のベンチャーとして、目に見えない生体内の分子を「可視化」する技術を追求しています。従来の血液検査などでは、特定の成分が「どれくらい含まれているか」という量はわかりますが、それが「組織のどの部分に、どのように分布しているか」という位置情報まではわかりませんでした。
この課題を解決するのが**質量分析イメージング(mass spectrometry imaging: MSI)です。そして、このMSIの精度と利便性を飛躍的に向上させたのが、私たちが活用している「転写プレート(PoropareTM)」**を用いた技術です。
MSIとは、組織切片の微小領域(µmオーダー)にレーザーや帯電液滴などを照射し、そこに含まれる成分をイオン化、切片の表面を二次元的にスキャンして、分子の分布を「地図」のように画像化する技術です。
通常、MSIを行うには組織を極薄(数マイクロメートル)にスライスして、特殊な導電性ガラスに貼り付ける必要があります。しかし、組織の種類によっては、うまく切片化できなかったり、貼り付かなかったり、あるいは測定中に形が崩れてしまったりすることがあります。
ここで登場するのが**「転写プレート」**です。
プレッパーズがこの手法に注目し、提供しているのには明確な理由があります。
① 組織の形態を問わない汎用性 水分を多く含む臓器や、逆に硬い組織など、スライス(薄切)が困難なサンプルでも、断面を押し当てるだけで分析が可能です。これにより、これまで測定が難しかった検体にもMSIへの門戸が開かれました。
② 前処理の簡便化と迅速性 従来の薄切プロセスには高度な熟練技術と時間が必要でしたが、転写法はプロセスが非常にシンプルです。研究のスピードを加速させ、より多くの検体を効率的に解析することが可能になります。
③ 創薬・臨床研究への貢献 例えば、薬が患部の中心部まで届いているか、あるいは特定の細胞層だけで代謝されているか。転写プレートを用いたMSIは、こうした「薬の挙動」をクリアに描き出し、次世代の薬作りを強力にバックアップします。
私たちは単に転写するだけでなく、浜松医科大学での知見を活かし、**「何を、どう写し取るか」**の最適化(ノリアリゼーション)に心血を注いでいます。
「転写プレートを用いたMSI」は、複雑な生体情報をシンプルかつ正確に可視化する、まさに「分子の魚拓」のような技術です。この技術によって、病気のメカニズム解明や新薬開発の現場では、これまで見えてこなかった新しい事実が次々と明らかになっています。
「組織全体の分子分布を素早く確認したい」「特殊な形状のサンプルを解析したい」といったご要望がございましたら、ぜひプレッパーズへお問い合わせください。私たちの専門スタッフが、最適なイメージング戦略をご提案いたします。
❅ Poropareは、浜松ホトニクス株式会社の登録商標です。